写真 ローソンの合田早紀さんがユニバーサルマナー検定1級の認定証を手に持っている様子

 

ユニバーサルマナー検定1級を受講してくださった、株式会社ローソン SDGs推進室 アシスタントマネジャーの合田早紀さんに受講後の感想についてインタビューをしました。

ユニバーサルマナー検定1級の詳細ページ

 

目次

・普段のお仕事について
・ユニバーサルマナー検定1級の魅力とは?
・受講後、変化した行動は?
・検定を通じて、貴社の事業にどう活かしたいですか?
・今後の目標やビジョンはありますか?

 

 

 

普段のお仕事について

――普段の業務内容について教えてください。

現在は、SDGs推進室でプラスチックの削減や社内のSDGsの啓発活動に取り組んでいます。以前は、社会貢献活動として主に障害者へのサポートを推進する業務に従事していました。コロナ禍でマスクを着用した店員の口の動きが見えないことで困っているという聴覚障害のある社員の声を受けて、2022年8月には『聴覚障害者向けの指差しシート』を作成しました。この指差しシートは、グッドデザイン賞もいただき、高く評価をいただいた取り組みとなりました。

また、2024年4月の障害者差別解消法の改正のタイミングを前に、視覚障害者を始めとした障害者の方をサポートするためのマニュアル改訂にも取り組みました。視覚障害者団体に所属する全盲の方にご協力いただき、普段通りのお買い物を拝見する機会をいただきました。ユニバーサルマナー検定で学んだように一番重要なことはご本人の意思を確認することであることは大前提として、どのタイミングで、何に対してスタッフのサポートが必要となる可能性があるのかを確認し、お店の対応方法について検討し、マニュアルに反映しました。

みんなが暮らしやすい街を創りたい。障がい者サポートに尽力する社員のチャレンジ


写真 聴覚障害者向けの指差しシートの写真

 

 

ユニバーサルマナー検定1級の魅力とは?

――ユニバーサルマナー検定1級を受講したきっかけを教えてください。

最初は、ユニバーサルマナー検定3級を受講しました。講義では、障害がある方へのサポートの際に「何をしてあげるべきか」ではなく、「何かお手伝いできることはありますか?」と尋ねることの重要性を学びました。このことが、自分自身の意識を大きく変えるきっかけになりました。そこから、日常業務において社会貢献や障害者へのサポートに対する理解をより深めたいという思いがあり、同じ部署のメンバーとともにユニバーサルマナー検定1級の受講をすることに決めました。

 

写真 合田様がパソコンで仕事をされている様子

――ユニバーサルマナー検定1級受講の感想は?

私は、2023年9月にユニバーサルマナー検定1級を受講しました。
ユニバーサルマナー検定1級では、障害者だけでなく、多様な方々について学ぶことができます。まずは、LGBTQ+対応マナー研修認知症対応マナー研修ユニバーサルマナーコミュニケーション研修ユニバーサルワーク研修の4つから好きなカリキュラムを3つ選択するのですが、どれも内容は非常に充実した内容でした。この研修では当事者の方の特性を理解して、コミュニケーションをとる重要性について学びました。講師の方々は実際の現場での体験を交えながら具体的な事例を示してくださったので、非常に理解しやすく身近に感じることができました。また何より、このカリキュラムはeラーニングのため自分のペースで受講ができ、期間中は何度も視聴可能なので理解をより深めることができました。

eラーニングの受講方法について

4つのカリキュラムを選択して受講したあと、当事者の方のリアルにふれるということで、体験版の講座を受講しました。つながるUMダイアログシリーズアートでおしゃべりシリーズの中から1つ選択をするのですが、私は『つながるUM』を体験しました。『ダイアログシリーズ』もずっと気になっていたので、実は検定とは別軸で参加しました。

『つながるUM』は、オンラインでテーマに沿って、当事者の方の生活や考えに触れて多様な視点を身に付けるための講座でした。とても有意義な講座で、オンラインながら当事者でもある講師の皆さんに直接質問ができる時間もあり、それぞれのバックグラウンドや経験をシェアすることで、他者の視点を理解し、自分の考えを深める良い機会になりました。このディスカッションを通じて、多様な問題解決のアプローチを学ぶことができました。

つながるUMの詳細ページ

また、『ダイアログシリーズ』の『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』へは、SDGsを考える会社の公式部活「SDGsフレンズ」のメンバーと一緒に2024年7月に参加しました。目を閉じた状態でのコミュニケーション方法を学びました。この体験は、日常生活でどのように配慮を行うべきかを具体的にイメージでき、今後の業務にも大いに役立つと感じています。

なお、すべてのカリキュラムの受講が終わったら、レポート提出を行いました。ユニバーサルマナー検定1級の申し込みをすると、テーマが送られてくるので、30日以内に提出をし、そのあと合否の連絡がきて、無事に合格できました!1級まで合格した人だけがもらえるバッジもありました。

1級の受講を通じてユニバーサルマナーの重要性や実践方法について深く理解できました。これらの学びを活かし、職場や地域社会で積極的にユニバーサルマナーを広めていきたいと考えています。

ユニバーサルマナー検定1級の詳細ページ

 
写真 ユニバーサルマナー検定1級認定後にもらえる認定証、カード、バッジの写真

 

 

 

受講後、変化した行動は?

――受講後に変化した行動や業務に活かせた場面はありますか?

3級から1級まで検定を受講し、自分の考え方が大きく変わりました。
「何かをしてあげるのではなく、必要なことを尋ねて、見守る姿勢をもつ」という意識が根付いたことが、最も大きな変化です。以前はあるべきサポート方法を自分で考え悩むことが多かったのですが、今は相手が求めているサポートを確認することが最優先だと考えています。相手の意思を尊重することで、より双方にとって良いコミュニケーションがとれるようになりました。一方で、様々なハード面の課題も知ることができたため、「もしかしたら、あの人はこういったことに困っているのかもしれない」と考える想像力が以前よりもついた気がしています。

さらに、社内でユニバーサルマナー検定3級の受講者を募ることで、多様な方への理解のある仲間をより増やしていこうと考えました。具体的には、3級の受講希望者に対して受講費用を会社で補助する仕組みを導入しました。導入時には、多くの社員から受講希望の声が上がり、関心の高さを実感しました。現在では400名以上の社員が受講し合格しています。
3級を取得したメンバーからは「早速、店舗向けの研修で学んだことを伝えることができた」「もっと学びたい!」といった声が多数あったため、研修を担当する部署とともに検討し、この10月からは2級の検定費用の一部を補助する制度も開始したところです。


 写真 ユニバーサルマナー検定1級を取得してくださったローソンの社員さん4名の様子

ユニバーサルマナー検定1級を取得したメンバー

 

 

検定を通じて、貴社の事業にどう活かしたいですか?

検定を通じてユニバーサルマナーを学ぶことで、世の中をよくすることはもちろん、社内の取り組みや制度がより充実し、他社との差別化が図れると考えています。具体的には、社員の意識が向上することで、お店での接客力も向上し、結果的に企業全体の強みになると思います。さらに、ユニバーサルマナーに基づいたサービスを提供することで、お客様からの安心感を得られ、これは、企業としてのブランド力を高める大きな要素になると考えています。

 

 

今後の目標やビジョンはありますか?


会社全体のSDGsの理解啓発とプラスチック削減活動を継続しつつ、障害者の方々のサポートにもさらに注力していきたいと考えています。特に社内の意識を高めることで実践できる環境を整えることが私の目指すところです。また、社外のパートナー企業との連携を深め、共同での取り組みを通じて、より広く社会的影響を与えることも重要だと考えています。また、自分自身の目標としては、引き続き障害者の方々への理解を深められるようにスキルを高めるとともに、周囲の人々にも理解を深めてもらうことを目指しています。実際、社外でも前述の「指差しシート」について社会的影響に関する研究と学会等各所での発表を行っています。


―― 今回は、初めてユニバーサルマナー検定1級を受講された合田さんにインタビューさせていただきました。
株式会社ローソンさんの取り組みや、合田さんのご活躍において、ユニバーサルマナー検定の知識が実際に活かされていることを大変嬉しく感じております。今後も共に、より良い社会に対してポジティブなインパクトを与えていければと思います。