今回、正和工業の代表取締役を務める吉本さんと商品開発に携わる澄川さんに、ユニバーサルマナー検定受講のきっかけや感想、今後の展望について伺いました。
正和工業は、障害の有無に関わらず「誰もがあたりまえの事をあたりまえのように生活できる」社会の実現を目指し、ユニバーサルデザイン環境整備に取り組まれています。
ユニバーサルマナー検定を受講したきっかけは何ですか?
吉本さん
弊社では、エレベーター据付工事を主力事業としながら、近年では車いす用階段昇降機の設置やバリアフリー化工事にも力を入れています。ただ、これまでの業務を通じて、インフラの整備だけでは本当の意味での「使いやすさ」や「安心感」を提供できない場面があることに気づきました。お客様にとっての使いやすさを実現するためには、障害のある方や高齢の方々が直面している課題や本当のニーズを理解し、寄り添うことが必要だと考えました。そのため、当事者の声を直接聞きながら学べるユニバーサルマナー検定を受講することで、配慮や対応力を高めるきっかけにしたいと思い、受講を決めました。
澄川さん
製品開発や改良の過程で障害のある方と直接対話する機会が多くあります。その中で感じたのは、単に技術やデザイン面での工夫をするだけでなく、お客様の話を丁寧に聞き、ニーズを深く理解するための基本的なマナーやコミュニケーション力が重要だということです。特に、当事者の視点や考えに共感し、信頼を築くことが製品の品質向上につながると考えています。加えて、今後新たに取り組む製品やサービスには、ユニバーサルデザインの理念を積極的に取り入れたいという思いがあり、その一歩として今回の受講に至りました。会社全体としても、お客様に選ばれる企業となるために、このような学びを広げることが大切だと感じています。
ユニバーサルマナー検定を受講してみていかがでしたか?
吉本さん
検定を通じて改めて感じたのは、声かけひとつでも相手の気持ちに配慮することの大切さです。特に、一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が求められることを再認識しました。また、講師の方が紹介してくださった『生活のしづらさを感じる人が全体の約4割に上る』というデータはとても印象に残りました。この数字を聞いて、今後、日本全体で高齢者や障害者への配慮を一層進めていく必要性を強く感じました。
澄川さん
私自身、軽度の障害があるので、日常生活で『不便だな』と思うことがあるんですけど、検定を通じて他の方の目線に立つことで、これまで気づかなかった新たな視点を得られました。それと同時に、自分が困りごとを抱えているだけじゃなく、他の人を支える側としてどう動けばいいのかを考えるいいきっかけになりました。特に、一つひとつの対応が相手にとってどう受け取られるかを意識するようになったのが大きな学びです。
今後、ユニバーサルマナー検定の学びをどのように活かしていきたいですか?
吉本さん
これからも車いすユーザーや体が不自由な方だけでなく、誰もが安心して利用できる製品や空間づくりに取り組んでいきたいと考えています。特に、当事者の声を直接聞くことの重要性を検定を通じて改めて感じたので、その声をしっかり反映させたものを作りたいですね。単なるインフラ整備にとどまらず、人々の暮らしをより豊かにする価値を提供できればと思っています。
澄川さん
製品の設計段階から、もっとユニバーサルデザインを意識したアプローチを取り入れていきたいです。たとえば、障害のある方や高齢の方が、どんな点で使いづらさを感じるのかを、もっと具体的に把握したいと考えています。この検定で学んだことを基に、単に機能的な製品を作るだけでなく、使う人にとって心地よい体験を提供できるものづくりを目指していきたいですね。本日学んだユニバーサルマナーと、ユニバーサルデザインを推進することで、誰にとっても暮らしやすい社会の実現に貢献できればと思います。
吉本さん、澄川さん、ユニバーサルマナー検定3級2級をご受講いただきありがとうございました。ぜひ、お仕事で学んだことを活かし、今後ますます多くの方々にとって使いやすい製品や環境を提供していただけることを心から願っています。皆さんの取り組みが、より良い社会づくりに繋がることを楽しみにしています!