講師の原口です。先日、子どものころからの趣味であるゲームについて書きました。
前回の記事はこちら「全盲ですが趣味はゲームです」

今回はもう少し踏み込んで、
・これまで私がどんなゲームをして遊んできたか
・最近はどんな工夫をしてゲームを楽しんでいるか
をお伝えします。

 

ストリートファイター

ゲームを始めたころに私がはまっていたのは「ストリートファイター」※という格闘ゲームでした。

※カプコンが出しているゲーム。

1987年に1作目が誕生し、最新作「ストリートファイター6」は2023年に発売された。

キャラクターによって声が違うし、技を出すと技の名前を話してくれるので、見えなくても十分楽しめるゲームでした。新作ではアクセシビリティにより力を入れており、多くの人に楽しめるような工夫がなされているとのことです。

最近はゲームサウンドのアクセシビリティも向上しているため、視力の有無に関係なく楽しむことが可能になっていると感じます。

ストリートファイター6のサウンドアクセシビリティのページはこちら

イラスト 格闘ゲームの戦闘画面

 

桃太郎電鉄

もう一つ、最近私が仲間と楽しんだゲームがあります。それは「桃太郎電鉄(以下、桃鉄)」※というゲームです。

公式サイトはこちら

これも昔から人気のゲームです。ファミコン、PCエンジン、ゲームボーイ、セガサターン、プレーステーションなどさまざまなゲーム機で遊べました。2023年に登場した最新作はNintendo Switchで遊べます。

画像 ニンテンドースイッチを遊んでいる人

すごろくのようにサイコロの出た目の数だけ進んで全国をめぐるゲームのため複雑な操作はないのですが、私が遊ぶには大きな問題がありました。サイコロの目の数や進む方向を音声で伝えてくれないのです。そのため、誰かと一緒の空間にいないと楽しめませんでした。

「自分の遊びたいタイミングでゲームをしたい!」と強く思っていた幼少期の私は、このゲームをあまりプレーすることなく大人になりました。しかし数年前、Nintendo Switch用に発売された最新作がオンライン対戦できるようになったことで、私のプレー環境が大きく変化しました。

オンライン対戦で仲間とつながることで、私の出したサイコロの目の数や進む方向を見てもらい、声で伝えてもらうことができるようになったのです。

最新作も読み上げ機能はないため、残念ながら私一人で遊ぶことはできませんが、時間さえ合えば、場所を選ばず仲間と一緒にゲームを楽しむことができるようになりました。コロナ禍でなかなか友人や会社の仲間と顔を合わせることができなかった時期は、この桃鉄を通して、休日や仕事が終わった後に会社の仲間と頻繁に遊んでいました。

 

おわりに

時代が進むにつれ、ゲームのグラフィックやサウンド、アクセシビリティなどはどんどん進化しています。しかし、全盲の私にとって、なんの制限もなく楽しめるゲームが限られているのも事実です。

それでも私が、今でもゲームが大好きで、自分ができるゲームを探し、遊ぶための工夫を考え続けているのは、ゲームというツールを通して年齢や性別、障害の有無にかかわらず多くの人とつながることができるからだと思います。

今後もゲームはどんどん進化していくでしょう。そして、誰もが楽しむことができるゲームが、今よりももっと増えることを願っています。