講師の原口です。
私は生まれつき目が見えませんが、テレビゲームが趣味です。

「見えなくてどうやってゲームするの?」
「視覚障害者用のゲームがあるのかな」

おそらくこんな風に疑問に思う方が多いのではないでしょうか。

今回は、小さいころからゲームが大好きでたくさん遊んできた私が、
・なぜゲームを遊び始めたか
・どのようにゲームを楽しんでいるか
をお伝えします。

始まりは姉から奪ったコントローラー

 

私がテレビゲームに出会ったのは5歳くらいのときです。2歳年上の姉がクリスマスプレゼントとしてゲーム機をサンタさんにお願いし、我が家にゲームがやってきたのがきっかけだったと思います。

「なんかおもしろそうな機械が来たな」
「なんかおもしろい音がするおもちゃだな」
そう思ったことを覚えています。

最初は姉や姉の友達が遊んでいるゲームの音を聞いているだけだったのですが、自分も遊んでみたいとコントローラーを姉から奪ったのが、私がゲームを始めたきっかけでした。

はじめはボタンを押すといろんな音がするので満足していましたが、押すボタンによって音が変わっていることに気づくのにそれほど時間はかかりませんでした。

格闘ゲームで家族の頂点に


その時は格闘ゲームをしていたのですが、キャラクターによって声や動いている音、技を出す音が違うことに気づき、どうやったら技が出せるのか自分なりに研究をしていました。

ゲーム機をプレゼントしてもらった姉よりも私の方がゲームをしている時間は長かったと思います。ゲームを初めて触ってから数週間でどんどん上達し、姉に勝てるようになり、結果そのゲームでは家族の中で最強になったのです。

そしてゲームを通じて同年代の目の見える近所の子どもたちと遊ぶようになりました。遊ぶ相手が増えたことは、私がゲームにのめりこんでいくきっかけにもなりました。

今もゲームが大好き


今はゲームもさらに進化し映像がとてもきれいになったと聞きますが、同時に音もリアルになり、アクセシビリティも向上し、映像が見えなくても楽しむことができます。もちろん音だけではできないゲームもたくさんありますが、いろんなゲームをまずはやってみて「これは音だけで十分遊べるな」「これはさすがに無理だな」と自分なりに楽しめるゲームを探すのが大好きです。

ミライロでは、社員間のコミュニケーションを活性化し組織の遊び心を醸成するため部活動制度があります。私はeスポーツ部に所属し、社員や取引先の方々とゲームをしたり、ゲームのアクセシビリティの研究を行ったりしました。

※ドライビングシミュレーションゲーム「グランツーリスモ7」にて、エンジン音で車のブランドを当てたり、二人羽織状態でレースしたりしました。ほかにも「桃太郎電鉄」や「ポケモンユナイト」などのデジタルゲームをはじめ「ワードウルフ」や「はぁって言うゲーム」などのカードゲームも行いました。
写真 原口がコントローラーを持ってグランツーリスモをプレイしている様子
ちなみに……、ゲームにのめりこむ子どもに親が「目が悪くなるからゲームは1日1時間でやめなさい!」と言うのをよく聞きます。我が家でもゲーム機がやってきたときは「ゲームは1日1時間」というルールがありました。しかし、私には「目が悪くなるから」という理論が通用せず、母親は私のゲームのプレー時間を制限することはできませんでした(笑)。

おまけ


2023年8月にラスベガスで開催された、格闘ゲームの大会「Evolution Championship Series 2023」では、視覚障害のあるプレイヤーが勝利しました。勝った選手がすごいのはもちろん、ゲーム側のアクセシビリティにも驚きです。
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