現在、様々な職業の皆さんが、ユニバーサルマナー検定を受講してくださっています。そんな中、リポートや司会など、あらゆる場所で活躍する「アナウンサー」の方の受講が増えています。

これまで、フジテレビ報道局の阿部知代様、テレビ朝日の並木万里菜様などにもご受講いただきました。

今回は、ユニバーサルマナー検定を受講された、フリーアナウンサー・新田朝子さんに、受講したご感想を伺いました。インタビュアーは、聴覚障害のある講師・薄葉幸恵です。

【経歴】
大学卒業後、NHK旭川放送局を経て、KFB福島放送のアナウンサーとして、情報番組の司会や中継リポーターをはじめ、災害などのニュース取材も担当。
現在はフリーアナウンサーとして、スポーツ番組や各種イベント司会、ナレーションなど、活躍の幅を広げている。

多様な方々とのコミュニケーションの在り方を学びたい

Universal Manner Test

薄葉:なぜユニバーサルマナー検定を受講しようと思われたのですか?

新田:ユニバーサルマナー検定を知ったきっかけは、インターネット広告でした。
大学時代は、福祉を専攻していました。障害のある子どもへの家庭教師のアルバイト、高齢者施設でのイベント企画・運営や、岩手県の子どもたちへのボランティア活動などをしてきました。当時、さまざまなバックグラウンドがある方々と関わる際には、なるべく「傾聴」できるようにと心がけてきましたが、より深く多様な方々とのコミュニケーションの在り方を学びたいと思い、受講を決めました。

子どもから大人まで、知って得するユニバーサルマナー

Universal manners for children and adults

薄葉:検定を受講してみて、どのような感想を持ちましたか?

新田:知らないことがたくさんありました。例えば、オストメイトマークは、これまで見たことはあっても、どんな意味なのかを明確に答えられませんでした。
また、講義に使われているスライド資料の配慮にも驚きました。多くのスライドは、背景が白色で文字が黒色ですが、それを反転することで、目が疲れづらくなるのは新たな気づきでした。

薄葉:色々な学びがあったようで嬉しいです。2級ではどのようなことを感じましたか?

新田:初めて車椅子に乗り、ハンガーをかける棚が高く手が届かなかったり、数センチの段差が超えられ なかったりと、さまざまなバリアを感じました。車椅子に乗って周りを見てみると、何を障害と思っているのかや、どんな手助けが必要なのかを少しでも知ることができ、勉強になりました。
また、高齢者の疑似体験は大変でした。高齢者は障害のある方のニーズを統合した状態であると講義で聞いていたものの 、体が思うように動かない中で、目が見えにくい、耳が聞こえづらいなど、複数の不自由が重なっていることは想像以上に辛かったです。そうした体験を通して、一人ひとりが求めている配慮は違うということを実感しました
このようなユニバーサルマナーを、
子どもから大人まで幅広い年代の多くの人に知ってもらいたいと強く思います。

アナウンサーの仕事にユニバーサルマナーがどのように活きるのか

Help Your Announcer Work

薄葉:実技研修を通して、さまざまな気づきがあったんですね。では、習得したユニバーサルマナーを今後どのように活かしていきたいですか?

新田:アナウンサーは、話す仕事であることはもちろんなんですが、何かを伝えるためには誰かのお話を聞き、その思いを代弁するので、そういった「聞く」仕事の方が実は多いんです。初めてお会いする方にも心を開いてもらえるかが問われます。ユニバーサルマナーを学んだおかげで、障害のある方や高齢の方などが感じていることを少し体感できた気がします。相手の立場に立って自分に出来ることを考え、胸の内を話していただけたら嬉しいです。
実は、仕事の中で後悔していることがあります。以前、目が見えない方との取材の約束を電話でしたのですが、上手く伝えることができず、行き違いが発生し、結果的にはその方の気分を害してしまったんです。もっと早く、ユニバーサルマナーを身に着けていたら、自信を持って接することができたのでは……と、今でも思う時があります。
実際にお会いした時も、体に触れることが失礼かもしれないと過剰に気を遣ってしまいました。遠慮するのではなく、相手の立場に寄り添えるようになりたいです。

薄葉:自分とは違う誰かと関わる時、本当にこの対応で良いのかな、と不安に感じることはありますよね。相手の考えることは、相手に聞いてみないとわからないと思うので、自然に「何かお手伝いできますか?」と聞いてみるのが良いかもしれませんね。他に学びたいことはありますか?

新田:手話に興味があります。あいさつや日常会話を覚えて手話を使う人とお話ができるようになりたいです。まずは 名前の伝え方から勉強中です。

薄葉:一つひとつの手話に意味があって面白いですよね。例えば、名前という手話は書類にハンコを押す動作を表します。言葉を関連させて覚えていると忘れないですし、覚えるのも早いですよ。例えば、朝子さんの“朝”は、起きる時に枕から頭を離す仕草から来ているんですよ。

新田:そう説明してくださると、覚えやすいです!できることが増えると楽しいですし、もっと知りたい、使いたいという気持ちになります。

薄葉:ぜひ今後も一緒に、ユニバーサルマナーを広めていけたら嬉しいです。そして、2級合格おめでとうございます!

(この時まで、2級合格していることを新田さんは知りませんでした)

新田さん: ありがとうございます!無事に合格できて嬉しいです。2020年の東京オリンピック、パラリックに向けて、より多くの人の立場を考えられるようになりたですし、日常生活でも、アナウンサーという誰かの思いを伝える仕事を通しても、ユニバーサルマナー検定で学んだことを活かしていきます。

 

Nitta-san

新田さん、素敵な笑顔です。
改めまして、ご受講いただきありがとうございました。

 

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