皆さん、こんにちは!ミライです!
今回は聴覚障害のある講師・薄葉さんに「障害を伝える際の5つのポイント」を聞きました!障害のない人もぜひ読んでください♪
登場人物
ミライ(右)
ユニバーサルマナー講師 薄葉ゆきえ(聴覚障害、人工内耳装着者)
目次
・最初に
・外見から分かりにくい障害者にとって、障害の開示は日常茶飯事
・障害があることを相手に伝えないシチュエーションとは?
・障害を開示する時の心得
最初に
薄葉さんは聴覚障害者だから、障害があることを外見から判断するのは難しいよね?
パッと見は難しいと思うよ。何かあったの?
ミライは車いすに乗っているからすぐに『歩けない、もしくは歩きにくい人なんだな』とわかってもらえるんだ。最近は障害者対応に慣れている人が増えてきたし、すぐ配慮してもらえることが多いんだけど……。薄葉さんは誰かと初めて会うときはどうしてるのか気になったの。
外見から分かりにくい障害者にとって、障害の開示は日常茶飯事
聴覚障害者の場合、補聴器や人工内耳が見えていたり、手話で会話したりしていないと外見からはわからないよね。私は初めましての時に、自分から聞こえにくいことを伝えることが多いかな。
そっか。いつも自分から障害の情報開示をするのって、大変じゃない?
私の場合は仕事柄もあって、相手に自分の障害について伝えることは苦ではないけど……。人によっては障害の自己開示が苦手な人もいるだろうね。
障害がない振りをしてその場をやり過ごす人も多そうだよね。
言われてみたら私も、聞こえにくいことを毎回伝えるわけではないかな。
障害について伝えないときって、どんなとき?
障害があることを相手に伝えないシチュエーションとは?
行ったことがあるチェーン店のカフェでは注文の流れを把握しているから、伝えなくても支障なく注文できるよ。お店のアプリから事前にオーダーと支払いを済ませておいて、指定された時間に受け取りカウンターへ取りに行くパターンもあるしね。ほかにも、最近のファミレスや居酒屋ではタブレットで注文できたり、テーブルに貼ってある二次元コードを読み取って、自分のスマホから注文できたり、サービスも多様になってきたよね。そういうお店では店員さんとのコミュニケーションに困らないから、聞こえにくいことを伝えることはないかな。
コロナ禍になってから、セルフ注文、セルフレジ、アプリ決済などのサービスを取り入れている飲食店が増えた印象があるね。チェーン店のほとんどは聴覚障害のある人が注文しやすい環境ってことだね。他にはある?
あとは、ウィンドウショッピングをしている時に店員さんから声をかけられても、笑顔で会釈して「欲しいモノがあればお声がけしますね」って伝えるよ。聞こえにくいことなどは伝えないで商品を見ていることが多いかな。
なんで?
買うか確定していないのに店員さんに気を遣わせてしまうのが申し訳ない気がして……。何度も話しかけられたら「耳が聞こえにくいので、反応がなくても気にしないでくださいね」って伝えるようにしてる。
店員さんからしたら、話しかけても相手から反応がないと無視されているように感じてしまうもんね。
そうだね。お店に入る時は「こんにちは。少し見させてください〜」って目が合った店員さんに声をかけるのと、何も買わずにお店を出る時は「ありがとうございました」って伝えるようにしているよ。
相手に不信感や不快感を与えないように工夫しているんだね。
もちろん聞こえない人みんなが同じ対応をするわけではないけど、それぞれ工夫しているんじゃないかな。
ミライみたいに外見から障害の有無がわかりやすいと、過剰に気を遣われたりジロジロ見られたりもするけど、パッと見で分からない人もいろいろあるんだね。
そうだね。基本的に長期のお付き合いになりそうな相手の場合は、聞こえにくいことを最初に伝えるようにしてる。逆にお店など一期一会のような場面では、相手や状況によってケースバイケースで対応してる。障害について伝える時も伝え方に工夫しているよ。
どんな工夫をしているの?
障害を開示する時の心得
まず心がけているのは笑顔かな。こちらが緊張した面持ちで「実は...…聞こえにくいんです」って伝えたら、相手も緊張しちゃうじゃない?口調もできる限り柔らかい口調を心がけているよ。
相手に心理的な負担を与えないように、さりげない配慮をしているんだね。ミライは「車いすユーザーだから歩けないんです」と伝えることは少ないから、外見から分かりにくい障害がある人のコミュニケーション方法から『伝え方』を学ぶことが多いよ。
そういえば、日常的に白杖を使っている友人もミライと同じことを言っていたよ。外見から分かりにくい障害者のほうがセルフアドボカシーのスキルを磨かざるを得ない事情もあるかもね。
※セルフアドボカシーとは
生活上で何らかの困難を感じている人が、周囲に助けを求めたり必要とする合理的配慮を伝えたりすること
一方で、外見から障害があることが分かりにくいということは、障害について相手に伝えなくてもなんとかなってしまうことも多いから、セルフアドボカシーが苦手な人もいるって聞くよ。
本当にそうね。私も、軽度の難聴だった時は自分が聞こえにくいことを誰かに伝えることはなかったように記憶している。外見から分かりにくい障害のある人は、セルフアドボカシーが得意な人と苦手な人の両極端に分かれやすいのかも。障害の程度にもよるしね。
前半はここまでです。
後半では
・関わり方を知らなかったときに陥ってしまう反応
・障害を開示する際の5つのポイント
・最後に
をお伝えします!
※後編はこちら