皆さん、こんにちは。講師の原口です。

はじめに


3月18日は「点字ブロックの日」でした。

点字ブロックは日本で誕生し、1967年3月18日、岡山県立岡山盲学校に近い国道(現:岡山県岡山市中区)に初めて敷設されました。

今では駅や施設、歩道などのあらゆるところに敷設されています。

私にとっても、点字ブロックは駅などに当たり前にあるもので、幼少期からとても便利に使用していました。点字ブロックは日本発祥であり、世界中どの国よりも多く敷設されていることを、高校生の時に初めて外国へ行くまで知りませんでした。

また、日本に来た海外の視覚障害のある方が言っていた「日本は点字ブロックがどこにでもあって、視覚障害者にとって天国だ!」という言葉を聞いて、あらためて日本の点字ブロックの多さに気づかされました。

今回は、視覚障害のある方がどのように点字ブロックを活用しているのかお伝えします。

 

点字ブロックは足や白杖、目で判断している


多くの人は、足で踏んだ感覚で点字ブロックを認識して歩いているのだと思っているのではないでしょうか。

もちろん足で踏んだ感覚で認識しているのですが、それだけではなく、白杖で点字ブロックにふれた感覚も重要です。
※白杖とは

点字ブロックを見つけるときは
①先に白杖で点字ブロックにふれて点字ブロックを認識
②足を点字ブロックに載せる
という動きになるので、点字ブロックの認識には白杖にも重要な役割があります。
イラスト 白杖を持って、点字ブロックの上を歩く人

また、点字ブロックは私のような全く目が見えない全盲の人だけでなく、ロービジョン(弱視)の方が目で見て認識している場合もあります。
そのため、道の色と区別できるように、鮮やかな色の点字ブロックが多いのです。
※弱視とは(日本弱視斜視学会)

 

点字ブロックの進化


今は形がほとんど統一されたため、個人的にとても歩きやすくなったと感じています。私が小さな頃は、点字ブロックの形や敷設の方法もさまざまでした。

点字ブロックは、より多くの人が使いやすいように改良されてきたのです。

以前は設置基準はなく、独自の形状や方法で敷設されていました。2001年に日本工業規格(JIS)はJIS T9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)を定め、点字ブロックの形を規定しました。形状などが統一されて、分かりやすく歩きやすい点字ブロックが多くなってきました。

まだまだ進化は続いています。
・点字ブロックに2次元コードを埋め込むことで、スマホをかざして音声で目的地への方向を教えてくれたりするもの
・車いすやベビーカーなどの車輪との相性を考え凹凸が少ない、かつ白杖や足でわかりやすい、屋内に設置できる点字ブロックの代わりになるもの
など、さまざまな製品が生まれています。

 

最後に


これからも視覚障害のある当事者として点字ブロックを大切にしたいと思います。
そして新たな製品や技術を活用することで、視覚障害のある方だけでなく、より多くの方が安心して外出できる国になることを願っています。