皆さん、こんにちは!
今回からスタートするコラムは、ユニバーサルマナー検定公認キャラクターのココロとミライがユニバーサルマナー検定講師陣と会話を楽しみつつ、障害がある方の日常生活をテーマにお届けします。読んでもらえたらうれしいです♪
登場人物
ココロ(左)&ミライ(右)
ユニバーサルマナー講師 薄葉ゆきえ(聴覚障害、人工内耳装着者)
目次
・聴覚障害のある方に対するユニバーサルマナーって?
・“顎ちょんちょん“でスムーズな治療?
・ジェスチャーって、便利だね!
・障害者歯科学会認定医って?
・最後に
聴覚障害のある方に対するユニバーサルマナーって?
診療中は歯科医や歯科衛生士さんは快く筆談してくれる感じなの?
うん。今通っている医院では快く筆談に応じてくれているよ♪加えて、とても分かりやすく書いてくれていつも助かってるの。特に嬉しいのは、正面の位置からではなく、横に座って筆談してくれることかな。横の位置で書いてくれると、書いている内容が同時に読み取れるので、とっても助かるのよ。
なんて素敵なユニバーサルマナー!患者さんが即時即答できる会話形式だと診療する側もスムーズだし、聴覚障害のある人もコミュニケーションがとりやすくて嬉しいよね~
私もなんだけど、筆談してもらい慣れている人は文章を上から読めたり、左右逆に読める人もいるんだけど、それでもやっぱり横の位置で書いてもらえると読みやすくて助かるんだよね。
薄葉さん、文字を逆さ読みできるの?
うん、私は聴覚障害者歴が長いので慣れたよ~(笑)。それと、いつも文章を縦書きではなく、横書きで書いてくれるの。横書きで書いてくれると、本当に読み取りやすいので、助かっているよ。
そっか、ユニバーサルマナー検定でも読み取りやすい筆談方法を伝えているし、こうした工夫がもっと社会に広がるといいね!
本当ね!早く書けて、読み間違えがない筆談方法が大事だと思うな。
“顎ちょんちょん“でスムーズな治療
あれ?でも、治療中は器具を使うから、歯科医も歯科衛生士も手が塞がっていて、筆談はできないよね?
そういう時は書いてもらわずに合図をしてくれるよ。例えば、治療を開始する時、患者さんに口を開けてもらう必要があるじゃない?そういう時は、指で顎先を“ちょんちょん”ってノックして口を開けるタイミングを教えてくれるの。治療が一段落して口を閉じても良いタイミングでは、顎先を軽く上に押してくれて、閉じても大丈夫ということを合図してくれるんだよね。
へ~、おもしろい!その合図だと“口を開けてください”とか“口を閉じてください”って筆談しなくても、伝わりやすいね!治療中は歯科医や歯科衛生士はマスクを装着しているから、口元も読めないものね。
そうなの。おかげでいつも治療がスムーズに進むし、工夫してくれているんだな~って感じられて、私もすごく嬉しいよ。
ユニバーサルマナー、嬉しいよね~。ちなみに、その合図は薄葉さんと歯科医で決めた合図?
ううん。気になって聞いてみたら、以前その歯科に通っていた聴覚障害のある人が提案した合図らしいの。
へ~、誰かの工夫が受け継がれているんだ。素晴らしいね!
本当にね。そういうことって、実は日常生活の中で結構あって、配慮をお願いする時は私も誰かの役に立つといいなって思いながら、提案やお願いをしてるんだ。
配慮って、きちんとしなきゃいけないって堅苦しいイメージがあるけど、大げさなことをしなくても、ほんの少しの工夫でみんなが助かるんだね。他には、どんな工夫をしているの?
ジェスチャーって、便利だね!
これは聞こえる聞こえないに関わらず皆がしているかもしれないんだけど、痛い時は手を挙げて合図しているよ。
それはココロもしてる~
そういう意味では、ジェスチャーって日常的に使うものだよね。
そうだよね。ほんの少しの工夫で意思の疎通がしやすくなるんだってあらためて思った!そうだ!薄葉さんは人工内耳の手術をしたって聞いたけど、また少し聞こえるようになって、歯科での診療の際になにか変わったことはあった?
あった、あった!聞こえていなかった時は、歯を削るドリルの音も聞こえなかったから、治療が怖くなかったんだけど、今は、ドリルの“チュイーン”っていう音が聞えるようになったから、歯を削る治療が怖くなっちゃった(笑)
ミライも“チュイーン”はすごく苦手~
障害者歯科学会認定医って?
今日は薄葉さんの体験談がたくさん聞けて良かったな。実は、薄葉さんの話を聞く前は、障害のある人は、障害者専用の歯科に通っていると思ってたんだ。でも、ほんの少しの工夫をするだけで、誰もが通いやすい歯科になるんだね。
ココロが言っているのは、障害者歯科学会認定医がいる医院のことかな?
※障害者歯科について詳しくはこちら
そうそう。なんらかの理由で、近所の歯科医院では安全に診療を受けられない人たちが対象の歯科をイメージしていたの。
なるほど。適切な配慮を提供するための訓練を受けた歯科医がいるから、意図的にそうした歯科を選んで通っている人もいるよね。ただ、障害があるから専門医のところしか行けないのは不便だと思うな。
そうだよね。今日、薄葉さんの話を聞いて、ほんの少しの工夫やユニバーサルマナーを実践するだけで、障害のある人も一般の歯科に通うことが可能なんだって知ったの。
そうだよね。歯科医と患者の双方が工夫することで、診療する側も診療を受ける側も快適な治療環境を作れるよね。
本当だね!今日はとっても大事な話を聞けて、よかったな。
最後に
いかがでしたか?
とても素敵なユニバーサルマナーのお話でしたね。 「歯科医と患者の双方が工夫することで、診療する側も診療を受ける側も快適な治療環境を作れる」という薄葉さんの言葉が印象的でした。ミライも歯医者さん嫌いが克服できると良いですね(笑)
今後もココロとミライのコラムは続きます。
次回のお話もお楽しみに!
◇前編はこちら