講師の原口です。早いもので、もう2023年。
皆さんの2022年はどんな1年だったでしょうか。
私にとって昨年は、大きな挑戦の年だったような気がしています。というのも、4月と10月に初めて海外出張へ行ってきたのです。仕事で海外に行くことを目標にしていたので、念願叶いました。
行ってきたのはモンゴルです。
正直に言うと、モンゴルについての私の知識は「草原」「遊牧民」「モンゴル出身の力士が多い」「スーホの白い馬」程度でした。そんななか渡航が決まり、仕事のこと以外で真っ先に私が思ったのは「馬に乗って草原を走りたい!」でした。
実際にモンゴルに行ってみると、さまざまな気づきや学びがありました。道の舗装に関する課題に気づけたり、モンゴルの皆さんがとても優しく、白杖を持った私にすぐに手を差し伸べてくれたりと、学びと感動の連続でした。
ここからは「モンゴルでの乗馬体験」についてお伝えします。
4月に初めてモンゴルに行ったときは馬に乗れませんでしたが、広大な草原の風を感じることができました。ただ、目で見ると壮大さを感じられると思いますが、私にとっては、どこまでも広がる草原を体感するというところまでは、残念ながらできませんでした。
「周りに何もないな」くらいは音の反響で分かるものの、体感的には広いグラウンドの真ん中に立っているような感覚と似ているなという程度だったので、一緒に行った仲間の情報保障を聞きながら草原を体感しました。
そして10月。念願の、馬に乗って草原を走る体験ができました。実は、乗馬は小さい頃に日本で何度か体験したことがあり、馬に乗って歩く独特の感覚は知っていました。それを広い草原で体験したらまた違った感覚なのではないかと思い、とても楽しみだったのです。
まず乗馬の前に、現地スタッフさんに馬に乗る姿勢や注意点などを細かくレクチャーしていただきました。以前の経験に加え、説明がとても分かりやすかったので、ある程度すぐに理解することができました。
いよいよ馬とご対面!
ここで驚いたのは、馬がかなり小さいことでした。日本で乗った馬は背が高かったので自分一人で乗ることができず、かなり補助してもらった記憶があります。しかし今回は、少し支えてもらうだけで乗ることができました。
無事に馬に乗り出発しました。馬の上で感じる振動はとても楽しく懐かしいと感じました。スタッフさんに手綱を引いてもらい、草原を歩いたり、少し早足で走ってみたりととても優雅な旅をしていました。
「馬に乗っているとどれくらいの距離を移動したのか、今は上っているのか下っているのかよくわからないな」などと考えていると、今回最大の事件が起こったのです。
手綱を引いてくださっていたスタッフさんに「じゃあ、ここからは一人で歩いてみましょう!」と言われたのです。その時私は一瞬固まりました。もちろんこれまで、自分で手綱を持って乗馬したことなんてありません。
「自分で手綱をもって歩けたらもっと楽しいだろうな。一度はそういう経験もしてみたいけど、何度も馬に乗る経験をしてからだろうな」と思っていたため、展開に頭がついていけませんでした。そして私が何かを言う間もなく手綱を渡され、一瞬にして願いが叶ったのです。
そこから、手綱の持ち方や馬を止めたり曲がったりする方法を教えていただき、歩き始めました。基本的には馬が自分で歩いてくれるなかで、たまに止めてみたり、また歩かせてみたりと自分の指示で馬に動いてもらうことに感動しました。そして何よりも、これまでの人生でほとんど感じたことのない開放感があり、何とも言えない心地よさを味わっていました。
私は普段、白杖を持ってさまざまな場所を移動しています。自宅やよく行く所などの慣れている場所では白杖を持つことなく移動できます。ただ、前者はもちろん、後者の場合でも「何かにぶつからないように」と無意識に神経を張り巡らせ、動いているのだと思います。
それが、馬に乗っていると、何も意識することなく自由に動くことができる。
その感覚がとても心地よく、すべてに解放されたような気持ちになりました。乗馬の時間は1時間ほどでしたが、あっという間に過ぎた感覚でした。終わりの時間になり、馬から降りた瞬間に「また乗りたい」と強く感じるほど最高の体験になりました。大人になってあまり感じることのなかった、心から楽しいと思える体験の1つでした。また、モンゴルに戻ったら必ず馬に乗りたいと思います。
海外に行くと、さまざまな体験ができたり、日本では感じることのできないものに触れられたりと、自分自身の視野が広がった感覚があるので大好きです。そして今回の、優しい人たちとの出会いや乗馬を通して、モンゴルも大好きになりました。