あけましておめでとうございます!ココロです!
今日は聴覚障害のある講師・薄葉さんに「寝ているときに見る夢」について聞いてみました!

 

登場人物

 

ココロとミライのイラスト
ココロ(左)

薄葉
ユニバーサルマナー検定講師
薄葉ゆきえ(聴覚障害、人工内耳装着者)

…聴覚障害のある講師として「外見からは見えにくい障害」に対する理解推進を目指し、全国の企業・自治体・学校などで講演を行う。

 

目次


最初に
聴覚障害のある人はどんな夢をみるの?
夢と現実の狭間にある違和感とは?

 

最初に


ココロ薄葉
明けましておめでとう!


ココロ
今年もいい年になりますように~。
あ、そうだ!薄葉さんは初夢をみた?
ココロは大好きなケーキをお腹いっぱい食べる夢をみたんだ~


薄葉
楽しそうな初夢だね!
私はコロナ禍が終息して、海外旅行を楽しむ夢をみたよ!


ココロ
正夢になるといいね!
そういえば、薄葉さんは10年くらい全く聞こえない状態で生活していたでしょ?
薄葉さんのみる夢には音があるの?実は、ず―っと疑問に思ってたんだ。

 

聴覚障害のある人はどんな夢をみるの?


薄葉
新年早々、すごく良い質問だね!
私の見る夢は、音があったり、なかったり、その時によって違うかな。


ココロ
へえ~。そうなんだ。
音がない時は、夢に出てくる人とどういう風に会話しているの?


薄葉
手話を使って会話している時もあったよ。
そういう時は聞こえなくなってから出会った人が夢に出てきていたかな。
逆に、自分が聞こえている時の知り合いが夢に出てくる時は、私も聞こえている設定で声を使って話していることが多いかな。
あとは、声だけでなく、ずっと音がないサイレント映画のような夢の時もあったよ~。


ココロ
そうなんだ!夢って記憶に結び付いていることが多いからかな?
意識してみているわけではなくて、その時の心情が反映されていたりもするから面白いよね。


薄葉
そうだね。人によってみる夢は違うよね。生まれつき聞こえない友人は、夢の中でも全く音がないって言ってた。元々聞こえていた人は音を聞いた記憶があるから、夢に音があったり、なかったりするみたい。


ココロ
全く聞こえなかったり、少し聞こえていたり、生まれつき聞こえなかったり、元々聞こえていたり…。聴覚障害のある人もさまざまだから、夢も千差万別なんだね。
画像 寝ている人

 

夢と現実の狭間にある違和感とは?


薄葉
あとは、就寝中に聞こえてくる音の影響もあると思う。
私は最近人工内耳を装着し始めたのだけど、就寝中は付けていないから、全く聞こえない状態で夢をみているんだよね。そうすると、起きた時に“あれ?”って違和感を覚えることもあるんだ。


ココロ
人工内耳だけでなく、補聴器を使っている人も寝ている時は外しているよね。
起きた時にどんな違和感を覚えるの?

人工内耳とは?(日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会HP)
補聴器とは?(厚生労働省補助事業HP)


薄葉
例えば、音がある夢を見ているとするでしょ。
そうすると、寝ぼけた状態の時に音が全く聞こえないから「あれ?なんで聞こえないんだろう?」って違和感を覚えちゃうんだよね。
これは、人工内耳を装着する前も何度かあったことなんだけど。


ココロ
なるほど。夢の中では聞こえているのに、起きた瞬間に体の感覚が違うから、びっくりしちゃっているのかな。


薄葉
そうなの。

例えば雨の日って、夢から徐々に覚醒しつつある時から、外から聞こえてくる雨音とか、空気の湿度とか、雨の日の独特の空気のにおいを感じ取っていて「今日は雨だな」って、なんとなくわかることってあるよね?

体は空気の湿り具合や雨のにおいで雨の気配を感じているのに、雨音が聞こえないから感覚が一致しなくて違和感を覚えるんだと思う。
画像 雨粒今は聞こえないことに体が順応しているから、違和感以外で思うことはないんだけど。まだ聞こえなくなったことに慣れていない時は、夢では聞こえていたのに、朝起きたら聞こえないことに気づいて、少し悲しい気持ちになることもあったな……。


ココロ
朝起きて「あ、私聞こえないんだった」って、あらためて気づく感じ?


薄葉
そうそう、そんな感じ。
それは聴覚障害のある人だけでなく、中途障害がある人の共通の感覚なんじゃないかな。

例えば、元々見えていた人は夢で見えているのに起きたら見えていないとか、元々歩いていた人は夢では歩いているのに、起きたら車いすで生活していることを思い出すとか。
中途障害のある人の場合、現状の身体機能に適応するのに時間がかかることもあると思う。


 

今回はここまで!

次回は「障害受容」や「ピアサポート」について聞いてみるよ!

後編はこちら