高齢者や障害者への適切な向き合い方を普及・啓発する一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会(大阪市、代表理事:垣内 俊哉)は、2020年9月10日にユニバーサルマナー検定1級をリリースいたしました。

 

■ユニバーサルマナーについて


高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な方々を街で見かける現代。私たちにとって、“自分とは違う誰かの視点に立ち行動すること”は、特別な知識ではなく、「こころづかい」の一つです。多様な方々へ向き合うためのマインドとアクションを、私達は「ユニバーサルマナー」と名づけました。

 

■ユニバーサルマナー検定1級について勇気(Courage)、作法(Manner)、包含(Inclution)の3つの円が真ん中で重なり、中心部分にユニバーサルマナーの文字が書かれた図。

ユニバーサルマナーを習得する本検定は、3級で一?を踏み出すための勇気(Courage)、2級で適切なサポートのための作法(Manner)について学びます。今回リリースする最上位の1級では、多様な人々と向き合うための包含(Inclusion)の要素を学び、ユニバーサルマナーを実践できる人を目指します。

 

■各級の位置づけについて

1級

ユニバーサルマナー インクルージョニスト

"違い"を包含し、人生の幅を広げる人になる

選択式の多様なカリキュラムと、当事者のリアルにふれる体験を通して、価値観や世界観をひろげる講座です

2級

ユニバーサルマナー コーディネーター

多様な方々への適切なサポートが出来る人になる

車いすの操作方法や視覚障害者の誘導方法など、実践的なサポート方法と、より詳しい知識を学ぶ講座です。

3級

ユニバーサルマナー ベーシック

"違い"と向きあい、一歩を踏み出せる人になる

人と人との違いを理解し、基本的な向き合い方やお声がけ方法を学ぶ、ユニバーサルマナーの入門講座です。

 

■1級コンテンツの特徴


①内容もタイミングも“選べる”カリキュラム

1級では様々なコンテンツの中から希望するカリキュラムを選択して受講いただきます。
リリースの時点では下記の4つの研修をオンラインで受講が可能です。

4つの研修(説明文は画像の下にあります)
 
 
・認知症対応マナー研修  ~認知症の方への対応マナー研修~

・LGBT対応マナー研修 ~性的マイノリティの方への対応マナー研修~

・ユニバーサルコミュニケーション研修 ~聴覚障害のある方への対応マナー研修~

・ユニバーサルワーク研修  ~精神・発達障害のある方への対応マナー研修~
 
 

3つのカリキュラムの受講が認定の条件となります。(過去の受講も認定の対象となります。)また、今後順次研修カリキュラムを増やし、より多様な観点を身につける事が可能となります。

②当事者のリアルに"ふれる”体験

カリキュラムを受講するだけではなく、実際に当事者のリアルに"ふれる”体験も認定の条件となります。障害のある当事者の日常や考えにふれるオンラインのトークライブや座談会に参加していただきます。
また、体験コンテンツは今後自社だけではなく、当事者のリアルを体験・体感出来るコンテンツを提供している外部の企業や団体とも連携し、拡充していきます。多様な人々が過ごしやすい社会を目指し、志を同じくするパートナーと一緒にコンテンツを拡げることで、目指す社会の実現を加速させます。

③受講から取得までオンラインで完結

研修カリキュラムや体験への参加、認定のためのレポート提出まで、全てがオンラインで完結します。新型コロナウイルスの流行に伴い、外出がしづらい環境の中で、自宅や職場で3密を避けながら、多様性理解の学びを進める事が出来ます。また、PCやスマートフォン、ネット環境を準備すれば会場へ行かなくてもいいため、遠方の方や、会場までの移動が困難な障害のある方でも受講することができます。

 

■受講の流れ

受講までの流れを表した図(説明文は画像の下にあります)

1級認定までは、3つの段取りがあります。
1. 学ぶとして、4つの研修カリキュラムのうち、希望する3つを受講します。
2. 体験するとして、「つながるUM」の中の「トークライブ」または「座談会」のうち一つを参加いただきます。
3. 言葉にするとして、これまでの学びや体験を通して得た理解をレポートとしてまとめていただきます。

※1級認定のための研修や体験は、ユニバーサルマナー検定3級、2級の認定がなくても受講が可能です。
※レポート申込には、ユニバーサルマナー検定3級、2級の認定が必要です。
※認定後は認定証・認定カード、オリジナルバッジを進呈いたします。

■代表理事・垣内のコメント

【写真】垣内が話している様子

日本は世界に類を見ない水準でバリアフリーが進んでいる先進国です。世界で初めて敷設された点字ブロック、充実した機能を有するトイレ、あらゆる場所に設置されているエレベーターなど、きめ細やかなハードが充実しています。外出しやすい社会であるにも関わらず、諸外国と比べ、街なかで障害者を見かける機会が少ないのは、外出したいと思える風土が醸成されていないためです。

私たちが障害のある方やご高齢の方へ、声を掛けることや、手を差し伸べることにどうしても抵抗を持ってしまうのは、知識不足と経験不足が大きく起因しています。障害のある方と共に働く機会がある人もいるでしょう。多様な方をお客様としてもてなす人もいるでしょう。駅のホームで困っている方を見かける機会がある人もいるでしょう。そうした場面で一歩踏み出せる人を、この社会に一人でも増やしたい。そんな願いを込めて、今日までユニバーサルマナーの普及を進めてきました。

ユニバーサルマナー検定1級のカリキュラムを通し、皆さんが学びを深めること、経験を積み重ねることで、一歩踏み出す足取りが今までよりずっと軽くなると確信しています。多様な方に寄り添おうとする皆さんの背中をそっと押して、その勇気ある一歩を少し支える、そんなきっかけを提供できたらと願っています。