※写真は新型コロナウイルスの感染拡大前に撮影したものです
ユニバーサルマナーとは、「自分とは違う誰かの視点に立って考え、理解し、行動すること」です。
ユニバーサルマナー検定とは、そんなユニバーサルマナーを身に着けるための検定で、これまで約10万人の方に受講していただきました。
ユニバーサルマナー検定で一番にお伝えしていること。それは「何かお手伝いできることはありますか?」と相手に聞いてください、ということです。
障害の種別やシチュエーションによって、一人一人が求めていることは違うので、まずは自分にできることを聞きましょう。そうお伝えしてきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し、第二波が警戒される現状において、「人に声をかける」ということすら、難しい状況にあります。
そこで今回は、「WITHコロナでも実践できるユニバーサルマナー」をご紹介します。
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「WITHコロナでも実践できるユニバーサルマナー」は3つあります。
「伝えること」「見守ること」「知ること」です。
この3つのユニバーサルマナーは、ユニバーサルマナー検定の運営を行う株式会社ミライロが、障害のある当事者298名に実施した調査結果を参考に作成しました。
これは「新型コロナウイルスが障害のある方の買い物にもたらす影響」を調査したもので、障害のある当事者の方に「嬉しかった配慮」や「今後の理想的なサポートや配慮」を聞いたものです。
(こちらのリンクからご覧いただけます:https://www.mirairo.co.jp/information/post-20200706)
この調査結果を踏まえ、具体的にどんなことをしたらいいのか?をまとめてみましたので、ご覧ください!
①伝えること
自分の状態を伝えるなど、様々な情報をあらゆる手段で開示することが、ユニバーサルマナーになります。
そのためには、「できること」だけではなく、「できないこと」もきちんと情報開示することが重要です。情報の開示によって、サポートの選択肢を増やすことができます。
【具体例】
◆店舗側は、WEBや店舗の入口、店内アナウンスなどで「可能なサポート内容」や「商品の入荷状況」などの情報を掲示する。(視覚障害のある方は掲示物が見えづらく、聴覚障害のある方はアナウンスが聞こえづらい場合があるので、情報開示は、2種類以上の方法で行うと、より多くの方に必要な情報が伝わります。)
◆お声かけをする時は、「私はマスクをしています」や「平熱です」などの情報を伝える。特に視覚障害のある方は、相手がマスクをしているのかどうかなどの状況がわかりづらいので、自分の状態を説明する。
また、本来であれば視覚障害のある方を誘導する際は肩や肘を持ってもらうが、「私はリュックを背負っているのですが、リュックを持っていただくのはいかがですか?」などと自分の情報を伝えることで、両者でサポートの方法を考えることができる。
◆コミュニケーションをとる際に、自分ができること、できないことの両方を伝える。例えば、聴覚障害のある方に「口元が見えないのでマスクを取ってほしい」と頼まれた場合、お互いの間に少し距離を取ることや、マスクを外すのが難しい状況では「マスクは外せないので、筆談でもよろしいですか?」などを提案する。
②見守ること
新型コロナウイルスの影響から、お声かけもしづらい状況が続いています。
もちろん、直接声をかけてもらえることで安心できる場合も多いですが、それが難しい場合には「見守るサポート」をしましょう。
少し離れたところから様子を窺い、いざという時にお声かけをしたり、駆けつけることができるだけで、十分なサポートになります。
【具体例】
◆視覚障害のある方が一人で道を歩いている場合、2~3m後ろを歩き、車が来ていたり、赤信号を渡ろうとされた場合はお声かけをする。(視覚障害のある方は遠くから声をかけられても、自分に声をかけられているのかわからないことも多いので、万が一の時のために、2~3mの距離を保っておく。)
◆車いすユーザーが一人でスーパーにいる場合は、少し離れたところで見守る。高い棚の商品が取れないなどで困っている様子が見受けられた際にお声かけをする。
③知ること
「困っている人がいること」を知っていると、サポートを行いやすくなります。
障害の有無に関わらず、人は生活をする上で、それぞれが課題を感じていますが、知らないと何に困っているのかすら想像が付きづらいと思います。
どんな人がどんなことに困っているのかを知り、自分にできそうなことを考える。いざという時には、サポートする心構えがあるかどうかで、日常の視点が変わってきます。
いざという時に「もしかして、あの人は困っているのかも?」と思えることが、ユニバーサルマナーなのです。
【具体例】
障害のある当事者がどんなことに困っているのか、気になる方は下記の方法で知ることができます。
◆インターネットで検索する
新聞やさまざまな障害者の団体が出している声明文を読むことで、障害のある当事者がどのようなことに困っているのかを知ることができます。
◆ミライロの調査結果を見る
今回の3つのユニバーサルマナーを作るきっかけになった調査結果には、「●●な人がいることを知ってほしい」や「お声かけしやすい雰囲気を作ってほしい」という声が挙がっていました。
これらは知っているだけでできることですので、ぜひ調査結果をご覧いただけると嬉しいです。
(こちらのリンクからご覧いただけます:https://www.mirairo.co.jp/information/post-20200706)
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人それぞれ、求めているサポートは異なります。
今回ご紹介した具体例はほんの一部の例ですので、ぜひこの3つのユニバーサルマナーを活用し、目の前にいる方と向き合っていただけると嬉しく思います。
世の中が不安でいっぱいな時期だからこそ、ユニバーサルマナーが広まり、障害の有無に関わらず、様々な人のちょっとした支えになることを心から願っています。