受講者の声 | ユニバーサルマナー検定

【後編】ホテルニューオータニのスタッフ3名が語る、ユニバーサル対応のこれから

作成者: ユニバーサルマナー協会|2026年01月21日

前編では、ホテルニューオータニのプロジェクト室とフロントオフィス課、それぞれの視点から、ユニバーサルマナー検定受講の背景や、多様なお客さまに向き合う日々の姿勢について伺いました。続く後編では、反響を呼んでいる「ママ&パパのための館内マップ」の誕生秘話や、これからのホテルニューオータニが目指す「ユニバーサルなホテルづくり」の展望について、さらに深掘りしていきます。

前編の詳細

<インタビュー回答者>
・プロジェクト室 大谷さん
・客室課 溝井さん
・フロントオフィス 福永さん

お子さまをお連れのお客さま向けに「ママ&パパのための館内マップ」を制作されたと伺いました。どのような経緯で生まれた取り組みだったのでしょうか?

有難いことに、当ホテルはご家族の記念日でのご利用など、幼少期から継続してご愛顧くださるお客さまが多くいらっしゃいます。また、ご披露宴の場としてお選びいただき、その後も結婚記念日などに再び足を運んでくださるお客さまもいらっしゃいます。

しかし、「お子さまの誕生」をきっかけに、ホテルのご利用から遠ざかってしまうという課題が見受けられました。そこで、ホテルニューオータニが「お子さま連れのご家族もウェルカムですよ!」というメッセージを明確に伝えるためにマップを作ることになりました。各部門から「自身も幼い子供を持つ親」であるスタッフを選任し、当事者としてのリアルな視点から、お子さま連れのお客さまが実際に抱える不安や疑問を解消し、「安心してホテルで過ごせる」ように、共感と実用性を兼ね備えた情報を入れ込み、マップの完成に至りました。

「子どもが生まれたらホテルなんて来られなくなると思って」とおっしゃった臨月のお客さまにフロントスタッフが「そんなことありません、お子さまと一緒にぜひいらしてください」とお渡ししたら喜んで涙を流してくださった事があり、思いが伝わった事をうれしく思いました。

ベビーベッドの貸し出しの際に添えたり、授乳室に配置、ゲストサービス、コンシェルジュデスクでのお渡しなど、多くのシーンで活用され、スタッフのお子さまの受け入れ体制にも欠かせないアイテムとなっています。
ママ&パパのための館内マップ 詳細

 今後はこのマップをユニバーサルな視点で発展させていく構想もあるとお聞きしましたが、どのような形を目指されていますか? 

「ママ&パパのための館内マップ」は、お子さまのいらっしゃるお客さまに対して作成したものでしたが、スタッフへの認知が上がることで、スタッフの意識もお子さまを受け入れる意識へと潜在的に根付いてきたように感じています。ユニバーサルマップも同様に、お客さまの来館への不安や心配を取り除く大事なアイテムである一方で、スタッフの「認識深化」を促す教育ツールとして考えています。マップの制作・更新プロセスを通じて、全スタッフがお客さまの多様なニーズを理解し、「心のバリアフリー」に対する認識を一層深め、お客さま一人ひとりに合わせた最適なサポートが自然に提供できる体制を確立したいと考えています。

 

 今後さらに強化したいこと、目指したいことは何ですか? 

■大谷さん
「ホテル全体で“誰もが快適に過ごせる空間”を実現するためには、部署を超えた情報共有と連携が欠かせません。現場で起きている課題やお客さまの声を、もっとスムーズに各部署へ循環させていきたいです。」

■福永さん
「フロントは、さまざまなお客さまと最初に接する場所です。だからこそ、スタッフ全員が“同じ目線”を持って対応できる状態をつくっていきたいと思っています。外国籍のお客さま、障害のあるお客さま、小さなお子さまを連れたご家族…多様なニーズに対応できるよう、フロント内での共通認識をさらに磨き、誰が担当しても安心していただける体制を築くことを目指しています。」

■溝井さん
「客室の改善は、まだまだやれることがたくさんあります。もっと多くの声を拾い上げて、スピード感を持って改善につなげていきたいです。」

“ここが使いづらかった”を“ここは快適だった”に変えることを目標に、細かな違和感も見逃さず、一つひとつ積み重ねていく姿勢を大切にしたいと話してくださいました。


ーすべてのお客さまに、安心して、心地よく過ごしていただくために。

今回のインタビューを通して感じたのは、「ユニバーサル対応は、特別なことではなく、目の前の一人に寄り添う姿勢そのもの」という想いが、部署を越えてホテル全体に根づいているということです。プロジェクト室、フロント、客室。立場は異なっても、皆さまに共通していたのは、「お客さまの困りごとをなくしたい」というまっすぐな思いでした。日々の現場で生まれる気づきや工夫を共有し、改善につなげようとする姿勢が、ホテル全体の前向きな変化につながっていることを実感しました。

今回お話を伺った3名の皆さまの想いと取り組みが、ホテルニューオータニのユニバーサル対応を、これからもさらに前へ進めていく原動力になると感じました。