受講者の声 | ユニバーサルマナー検定

障害のある「当事者」として、そして「発信者」として、ユニバーサルマナーと向き合う理由

作成者: ユニバーサルマナー協会|2025年09月26日

視覚障害のある当事者であり、YouTubeを通じて情報発信を続けるあさひさん。今回、ユニバーサルマナー検定を受講し、障害のある「当事者」として、そして「発信者」として、改めて原点に立ち返る機会となったと話します。ご自身の体験とともに、ユニバーサルマナーとの向き合い方やこれからの展望についてお聞きしました。


ユニバーサルマナー検定を受講しようと思ったきっかけを教えてください。

もともと、ミライロが運営していた「ミライロハウス TOKYO」(※1)でアルバイトをしていたことがあり、その頃からユニバーサルマナー検定のことは知っていました。今回あらためて受講しようと思ったのは、自分の中で「もう一度原点に立ち返って学び直したい」と感じたからです。

※1:ミライロハウスTOKYO:ダイバーシティ&インクルージョンに関する情報発信と交流の拠点となる、ミライロ初のリアル店舗。2023年3月31日に閉店。

現在、YouTubeでの情報発信を軸に、動画編集や講演活動など、フリーランスとしてさまざまな活動をしています。その中で、ユニバーサルマナーは自分の軸にも通じる考え方だと思いました。

また、私は理学療法士の資格を持っていますが、資格の取得から時間も経っており、特に知的障害や内部疾患など、自分があまり関わってこなかった領域の知識を補いたいという思いもありました。復習とアップデートの意味を込めて、今回の受講を決めました。




受講してみて、印象に残ったことはありますか?

検定の講義の中では、自分が当事者であるがゆえに見落としていたことにも気づかされました。たとえば、私は視覚障害者としての経験や知識には自信がありましたが、「視覚障害」と一言で言っても、見え方や感じ方は人によって本当に違いますし、知的障害や内部疾患など、自分にとって馴染みのなかった分野については理解が浅かったと感じました。

特に印象に残ったのは、車いすの実技研修です。実際に段差を越える場面などを体験して、これまで知識としては理解していたことが、体感を通してリアルに腹落ちしました。対面での研修だからこそ得られる気づきがありました。

私はYouTubeなどで発信をする際、いつも「自分の視点だけで語りすぎないこと」を大切にしています。ユニバーサルマナー検定の教材は、多様な立場の声をもとに作られており、全体として非常にバランスの取れた構成だと感じました。サポートする立場の方にとっても視野を広げられる内容ですし、当事者である私にとっても新たな気づきや学びのある時間となりました。

 

 

今後の目標、伝えたいことはありますか?

今後は、フリーランスとして障害当事者の視点から動画制作・講演・商品開発など幅広く活動していきたいと思っています。とくに、飲食店や小売店などで接客に携わる方々に、「障害のある人と関わるって、そんなに特別なことじゃないんです」と伝えていきたいです。

ユニバーサルマナーは、そうした“最初の一歩”をそっと後押ししてくれる考え方だと感じています。完璧である必要はなく、まずは「知ること」から始めて、少しずつできることを増やしていく。構えすぎずに、まず一歩を踏み出してみる。そのきっかけとして、私自身も、ユニバーサルマナー検定で学んだことを多くの人に届けていけたらと思います。

これからも、「当事者」と「発信者」双方の視点を大切にしながら、幅広く情報発信を続けられるあさひさんのご活躍に期待しています。

※文中でご紹介したYouTubeチャンネル:あさひ 旅するロービジョン